社団法人 日本ショッピングセンター協会

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業界の動き・提言

2009年2月

2008年のSC販売統計に見るSC業界の現況

(社)日本ショッピングセンター協会は、2008年度(暦月)のSCの年間販売統計を発表した。年間売上高は27兆2,585億円(推計)、対前年比0.35%の増加、既存SCベースの売上高はマイナス1.5%で、2年連続マイナスとなった。SC業界は、2005年より3年連続で既存店の売上高が上昇し、新規SC開発の増加も加わってSC全体の売上高は継続的に成長してきたが、既存SCの業績悪化によりSC全体の売上高伸び率も鈍化している。

表-1 SC・百貨店・チェーンストア売上高前年対比
SC数 S    C 百貨店 チェーンストア
既 存 S C
SC総合 テナント キーテナント
年 別 00年 (185) -3.4 -3.1 -3.7 -2.2 -5.1
01年 (255) -2.2 -1.4 -3.3 -0.4 -5.2
02年 (328) -2.1 -2.1 -2.1 -2.3 -2.1
03年 (462) -1.6 -0.8 -2.4 -2.8 -3.2
04年 (522) -1.7 -0.9 -2.9 -2.8 -3.5
05年 (550) 0.3 1.5 -1.9 -0.2 -2.6
06年 (523) 0.3 0.9 -0.7 -0.7 -2.7
07年 (515) -0.0 0.3 -0.6 -0.5 -1.4
08年 (553) -1.5 -1.1 -2.3 -4.3 -0.7
2008
四半期別
(1~3月) (557) 1.1 1.2 0.8 -1.0 0.4
(4~6月) (553) -2.7 -2.8 -2.5 -4.6 -0.9
(7~9月) (545) -0.4 0.3 -1.8 -3.3 -0.7
(10~12月) (554) -3.3 -2.5 -4.9 -7.7 -1.4
2008
月別
 1月 (592) 0.0 0.3 -0.5 -2.1 -1.7
 2月 (585) 0.8 0.4 1.4 0.9 1.9
 3月 (587) 2.3 2.6 1.6 -1.2 1.4
 4月 (575) -2.5 -3.0 -1.5 -3.4 -0.8
 5月 (581) -2.3 -2.1 -2.6 -2.7 -1.1
 6月 (592) -2.9 -2.7 -3.1 -7.6 -0.9
 7月 (585) 0.3 0.2 0.5 -2.5 0.9
 8月 (572) 0.3 1.5 -2.1 -3.1 -1.0
 9月 (580) -1.9 -0.8 -4.2 -4.7 -2.2
10月 (582) -3.0 -1.7 -5.6 -6.8 -1.6
11月 (571) -1.3 -0.6 -2.9 -6.4 0.6
12月 (580) -5.4 -4.7 -6.7 -9.4 -2.8
出 典 日本ショッピングセンター協会 百貨店協会 チェーンストア協会
最後のSC大量出店の時代

2008年の新設SC数は72SCであった。2007年の11月末より、改正都市計画法の施行から、新設SC数が注目を集めていたが、建築基準法の改定にともなう混乱などで、開店が遅れたSCもあり、前年の89SCと比較すると16SC減少している。但し、前年の新設SCについては、既存業態のリニューアルとしてSC化したものや、大幅リニューアルによってSC化したSCが多く、実際の新設SC数は70台に留まっており、大幅減少とは言えない。

また、SCの店舗面積は、超大型SC新設効果もあって2008年合計で234万m2に達し、2007年の236万m2とほぼ同水準にある。2006年の新設SCの店舗面積206万m2を加えると676万m2に達しており、この3年間にSC数・店舗面積ともに大幅に増加したことは明らかである。しかし今後のSCの開発計画を見ると、2009年は新設SC数、特に大型SCの開発は大幅に減少し、中規模SCの開発が中心となって、SCの店舗面積も減少することが予想される。

不況直前のSC業績

2008年のSC業界は、約22万m2の国内最大規模のSCを始め、大型SCが多数開設され、合計72SCがオープンした結果、既存SCの売上高のマイナスをカバーし、0.35%の売上高の増加となった。年間の売上高推移を既存SCベースで見ると、食料品価格の高騰などの影響から、4月以降マイナス成長に落ち込み、夏季には持ち直ししたものの、後半に入ると米国の金融機関の経営破綻に端を発した世界同時不況の影響を受けて、SCの売上高は急速に悪化し、12月にはSC総合で5.4%の大幅マイナスとなった。

SC協会では会員企業の協力により、約550のSCから販売データの提供を受け、継続的にSCの販売統計としてまとめている。以下、SC協会の販売統計をベースにSC業界の業績の推移を分析する。

表-2 既存SC平均(年間)

グラフ:既存SC平均(年間)

SCの売上高を牽引してきた専門店テナントの変調

SC全体の売上高においては、2005年から2007年までは専門店テナントが好調に売上高を伸張させ、マイナスを継続する核店舗の売上高をカバーする形でSC全体の既存売上高を引き上げてきた。この背景には、2003年以降、郊外立地を中心に大規模SCが増加し、1SC当りの平均テナント数は70店舗程度と大幅に増加し、優れた専門店テナントの大量出店の効果によって、不振を続ける核テナントのマイナスを補い、2005年以降のSC既存店売上高のプラスを維持してきたことがある。

ただし2007年に入ると、年間ベースの既存店売上高は0.3%のプラスとなったが、月別に見ると12ヶ月の内6ヶ月がマイナス成長と陰りが見え始め、2008年には1.1%のマイナスに落ち込んでいる。これは、SCの大規模化への対応として、2004年からの5年間に専門店テナントが28,674店と大量出店が行われたことにより、SCの成長の原動力として役割を果たしてきたことが挙げられる。その一方でSCの飽和化、同質化が指摘され、大量に出店を果たしたテナント間にも同質化と競合が激化し、テナントの成長力が鈍化し、2008年にはマイナス成長に落ち込んだ。百貨店や総合スーパーなどにおける、衣料品不況の下でも快調に業績を伸ばしてきた衣料品専門店も1つの転換点を迎えている。

1SC当りのテナント数の増加

2008年にオープンした72SCにおけるテナント数は7,089 店に達している。超大型SCで565店という大量テナントを集積したケースもあり、大量のテナント出店となった。最近5年間のSCにおけるテナント新設数は28,674店、年間平均で5,735店と急増しており、99年から03年までの5年間の新設テナント数である20,633店と比較しても、39%の大幅増加となっている。また、最近の10年間にオープンしたSCのテナント総数は49,307店であり、一部では、SCを中心に展開する専門店テナントに飽和感が生まれており、SCの同質化が進行していることが推計される。

核テナントから見えるSC業績の差異

核テナント業態別の売上高伸び率を見ると、SC全体では1.5%のマイナスであるが、「核なしSC」はマイナス0.8%、「1核のSC」が2.3%のマイナス、「2核のSC」が1.5%のマイナス、「3核のSC」がマイナス0.9%となっている。1核SCのマイナス幅が大きく、核なしSCは0.8%とマイナスではあるが比較的に小幅である。

核店舗の業態別にSCの業績の推移を見ると、1核型SCでは、売上高が伸張している業態のSCはディスカウントストアをキーテナントとするSCで、3SCとサンプル数は少ないものの4.8%と高い伸びを示している。また、生協を核テナントとするSCも0.9%の伸びと堅調に推移している。これは原材料高に伴う物価の上昇に消費者が敏感に反応し、低価格訴求型の核店舗を有するSCを選考したものと推計される。また、食品スーパーも食料費の削減が困難であるから、マイナス0.2%と比較的軽微なマイナスに留まっている。対して、百貨店が核テナントのSCがマイナス2.8%、GMS核とするSCは2.3%のマイナスであり、総合業態を核テナントするSCのマイナス幅は大きい。専門店SCも5.8 %の大幅マイナスになっている。

2核以上のSCについてみると、既存SCとして成長を維持しているのは「食品スーパー+ディスカウントストア」が0.8%の伸びを確保し、「SM+ホームセンター」は辛うじて現状を維持している。いずれも生活必需品や低価格訴求業態が核店舗となったSCであることから、家計の節約意識がSCの利用実態として表われていると推計される。

表-3 キーテナント業態別 売上高伸長率
キー業態SC数1月 2月3月4月 5月6月7月 8月9月10月 11月12月年間
総合5920.00.82.3-2.5-2.3 -2.90.30.3-1.9-3.0-1.3-5.4-1.5
核なし2750.01.42.4-3.8-0.8 -2.50.42.4-0.6-1.81.1-5.0-0.8
1核 Dpt24-0.21.01.5-2.7-1.7 -4.31.3-2.9-5.8-7.4-2.8-7.2-2.8
GMS150-0.1-0.72.9-2.0-4.9 -3.1-0.1-1.2-2.1-3.2-4.6-5.8-2.3
SM540.53.90.9-1.1-0.4 -0.21.10.9-2.0-1.60.5-2.1-0.2
SS4-1.62.2-0.8-6.3-4.9 -6.9-2.9-3.62.3-5.3-4.0-7.2-3.3
HC221.6-5.6-11.841.4-4.9 -6.6-3.5-10.4-6.8-9.2-7.7-6.4-7.6
DS31.64.35.86.24.2 5.49.81.34.83.710.02.24.8
専門店7-4.5-2.1-0.2-4.8-3.2 -4.4-2.4-4.2-7.7-5.3-6.7-11.0-5.8
生協90.11.51.00.32.5 3.70.41.3-0.8-2.27.0-2.50.9
農協0----4.0-2.6 -6.1-3.0-4.9-22.6-0.9-3.1-3.5-4.1
Dgs0----- --------
小 計2530.00.22.1-1.9-3.4 -3.10.3-1.5-3.2-4.3-3.4-6.0-2.3
2核 Dpt+GMS51.00.54.3-0.5-1.7 -3.30.90.80.9-2.2-8.9-8.0-0.2
Dpt+SM2-2.73.3-0.80.9-4.4 -3.60.4-9.4-3.3-6.9-4.7-5.5-3.2
Dpt+SS0----- --------
Dpt+HC0----- --------
GMS+SM3-0.44.92.9-6.1-8.3 -6.0-3.3-4.1-6.4-5.8-4.8-7.2-2.3
GMS+SS0----- --------
GMS+HC6-4.2-4.90.5-4.1-7.3 -4.20.7-0.5-1.9-3.4-1.9-3.6-3.0
GMS+専門店52.6-1.60.24.3-5.5 -4.63.70.0-2.0-0.4-0.4-4.1-1.5
SM+SS5-3.91.50.6-4.9-1.7 -0.4-1.3-1.0-2.2-2.5-0.3-1.7-1.8
SM+HC63.62.515.01.93.1 2.40.10.5-5.8-4.6-0.3-4.70.0
SM+DS8-5.24.41.60.45.8 -1.20.08.5-0.31.12.8-9.10.8
SM+専門店64.3-0.65.13.7-3.5 -1.7-2.8-6.2-2.0-0.80.2-2.7-0.9
DS+専門店0----- --------
生協+HC1-5.3-5.2-2.2-7.6-1.7 -3.6-5.1-3.6-7.3-12.9-0.1-3.3-4.8
その他5-2.11.51.7-4.0-3.0 -4.3-3.912.80.0-0.31.0-7.1-1.6
小 計52-0.50.32.5-0.2-3.3 -3.20.00.3-1.3-2.3-3.2-5.4-1.5
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